こんにちは、ばせです。
私は転職活動と自分探しに迷走した結果、メンタルが限界を迎え、新卒で入ったシステム開発会社を1年半で辞めました。
その後、実家で半年ほどニートをやっていたのですが、ゆっくり過ごせることが気持ち的にありがたい反面、「無職である」というたった一つの事実が重くのしかかり、後ろめたさや情けなさ、自責の念に襲われる毎日でした。
履歴書の空白期間が伸びていく焦りがありつつも、何から手を付ければいいか分からない。
でも、仕事探しの軸は定まらず、適職探しや自己分析をやってみても、答えは見つからないまま。
メンタルも回復していない状態で仕事を始めたところで、前回の二の舞にしかならないのは明白でした。
しかし、現在は自分の納得のいく選択を取ったうえで、社会復帰することができています。
- ニートを理由に自分を責めてしまう
- 退職したけど、気持ちが塞ぎ込んで次の行動に移れない
- 今の自分が情けなくて人を頼れない
ニート期間中に抱えていたこれらの悩みを解消するためにいろいろなことを実践していました。
今回は、期間中を振り返ってみて効果的だったこと9つを、マインド編と行動編に分けて紹介していきます。
マインド編
人を頼る
「助けて」とまず言うこと。
これが一番大事だと思います。
ダサくも格好悪くもない。というか、ダサくても格好悪くてもいいんです。
何故なら、この世にカッコ悪くない人間なんかいないからです。
成功しているように見えるあの人も、頼りになるあの人も、陰でたくさん失敗して、たくさん人を頼っています。
私は、自立した人間になりたいと思い、最低限一人でも食べていける程度の給料がもらえる仕事に就きたいと思っていました。
理由は、他人の経済力に依存して生活する不自由さが自分には合わないと思っていたからです。
結婚も、婚姻関係を結んだからと言ってお互いの生涯を保障し合えるわけではないので専業主婦になるのは怖いです。
だから、一人でも生きていけるように。そう思っていました。
しかし、一人でも生きていける人はごく少数で、私もまたそうではありませんでした。
仕事辞めて一か月布団から動けない。実家帰っていい?
分かった。戻っておいで
頑張っていないのに甘えている。何も結果を出せていないのに諦める。自立できる年齢になったのに、親に頼る。
情けなさに潰されそうでしたが、しかし自分一人でどうにかしようとしても状況が良くならないのも分かっているから、間柄的に一番頼りやすかった母に助けを求めました。
実家に戻ってからは、アニメ・漫画三昧で一日家に籠っていることも多い毎日でしたが、強烈に非難されることはありませんでした。
遺伝的にうつ傾向の人間が多い家系なこともあってか、身内に理解があったのが幸いでした。
人生80年あるんだから、頼り頼られはできた方が絶対に良いです。
慣れていない人は、自分の弱さを見せやすい人に話すだけでもいいです。
何歳になっても遅いことはない。迷惑とかは一旦考えないで練習だと思うレベルで良いと個人的には思います。
身近に頼れる人がいなければ、医療機関や行政、自治体の相談窓口を活用しちゃいましょう。
でも、自分の悩みはそういうの使うほど深刻なことじゃないし…
そう思っている方もいるかもしれませんが、何を相談するかが重要なのではなく、人を頼れない状況そのものが問題であり、解決しなければいけないことです。
試しに「つらい 電話」で検索してみたところ、厚生労働省の案内ページとか県の相談窓口が出てきました。
こういった場所は人の話を聞くために存在しているわけなので、気軽に活用するのが吉。
悪いとか申し訳ないとか思う必要はありません、本当に。
現状がボロボロでも、結果良ければすべてよし!
結果が良くなかったら…と考えるのは杞憂です。
良くなかったとしても、その先は良くなるかもしれない。
結果が良くなってなかったとしても、行動した事実があるだけで次の挑戦へのハードルはかなり低くなります。
低空飛行だった調子がちょっと浮上したとしたら、それは十分「良くなった」って言っていいんです。
自己受容
自己受容とは自分のあるがままを受け入れることを言います。
今のままじゃダメだ…と思う気持ちは、必ずしも悪いとは限りませんが、自己否定に繋がっているのであれば、その気持ちとの付き合い方を考えた方が良いです。
ダメな自分も、かっこ悪い自分も、理想に近づくことのできない自分もすべて受け入れることができれば、生きるのがだいぶ楽になります。
自分の欠点をそのままにしろと言っているのではありません。
受け入れて初めて、そのままにするか改善するために何をすべきか考えるかを選ぶことができるんです。
これも、自分ひとりではなかなか難しいことかもしれません。
自分を受け入れられない人は、大概、自分に対して常に批判的な評価をしているため、自分の長所・短所をフラットに見ることができません。
決めつけや自己投影をしてこない人が周りにいるようであれば、自分がどういう人間かを聞いてみてもいいかもしれません。おべっかや自己保身のために優しい言葉を掛けてくる人でも、反対に、あなたを支配するためにわざと否定的な言葉を掛けてくるような人でもない、信頼できる人がいれば、積極的に頼ってください。
また、「自分の考え方の癖が知りたい」「長所・短所にとらわれず、自分の気質を教えてほしい」と言ったうえでカウンセリングを受けるのも効果的です。
ただ、「この人が言っているから間違いない!」と考えるのは危険なので、そうならないよう注意しましょう。
所詮、人の評価もその人の個人的な意見でしかありません。
他人を通じて、自分を見ましょう。
頭と身体を休める意識
ニートで毎日家でだらだらできているから、休めている。
もしかしたら、それは休めていないかもしれません。
- 周りが正社員でバリバリ活躍している中、自分は何をやっているんだろう…
- 仕事選びも軸がない、ダサい…
このように、自責しながら日々を過ごしていませんか?
これは休んでいるとは言えません。
なぜなら、頭が常に回転し、自分を責め続けているからです。
頭を休めるのって大事です。
肉食動物も、狩りの時間以外はのんびり過ごしていますよね。
頭がざわざわして落ち着かない人はそのままジッとしていても頭が動き続ける一方なので、マインドフルネスや散歩などで意識的に頭をリセットできることをするのがおすすめです(詳しくは後述の【行動編】へ)
また、身体が重くて気持ちも後ろ向きになりがちな人は、下記のリストをチェックしてみましょう。
- 天気は雨じゃないか?
- 季節の変わり目、冬など日照時間が少ない時期じゃないか?
- 気温や室温は低くないか?
- 気圧の変化は無いか?
- (女性なら)ホルモンバランスなどの周期的な問題か?
などなど、あくまでも一例ですが、外的要因が原因で考えが後ろ向きになっているパターンが結構あります。
そんなことに振り回されたくない!と思っても、なっている現実をまずは一旦受け入れてみてください。
人間も所詮動物で、環境への左右のされやすさも個体差でしかないんです。
頭を休めることも大事だという意識を持ってみましょう。
とりあえずで始めてみる
思考先行型で好奇心旺盛なタイプの人はこれもおすすめです。
え? 好奇心旺盛の人ってそういうものなんじゃないの?
と思う方もいるかもしれませんが、一概にそうと言い切れないんじゃないかと個人的には思います。
例えば、【好奇心旺盛×思考先行型×自分の気持ちに懐疑的】の人。
私はこのタイプだと自認しています。
いろんなことに広く興味を持つタイプなのですが、自分の気持ちを軽視しがちでもあります。
そして、何事も始める前に「でも続かなかったらどうしよう…」「お金・時間を掛けるだけの熱量が自分の中にあるのか…?」と必ず自問します。
その結果、挑戦せずに終わる。
こんなパターンに陥りやすい人間です。
節約的な観点からは効果的な考え方なのかもしれませんが、それ以上に、致命的な欠点が三つあります。
欠点①自分のやりたいことが分からなくなる
自分のやりたいことを我慢すると、じょじょに自分の内面に対して鈍感になっていきます。自分の考えや悩みなどを知るためにも、チャレンジしてみるのは良いことだと思います。
欠点②完璧主義的な考え方が癖になる
「やるからにはちゃんとやらないと!」「周りも一生懸命やってるし!」「頑張らないと!」という考え方は、自分をブーストしてくれる場合もたくさんあると思いますが、挑戦する前にそう考えがちな人は要注意です。
それは上げる必要のないハードルです。
欠点③成功体験の機会を逃す
成功体験、馬鹿にできません。自分の向き不向きを判断できる機会ですし、何より自己効力感の根拠になってくれます。
どんな些細なことでもそれを続けた先に何か大きな結果が待ち受けているかもしれないし、続かなかったとしても、挑戦した事実はあなたの中に残り続けます。
新しく何かを始めたけど続かなかった、前から行ってみたかったご飯屋さんがそこまで美味しくなかった。
その経験は、一見無駄に思えるかもしれないですが、全くそんなことはありません。
ダメでもいい。失敗があるから成功もあるんです。
社会復帰も同様です。
私は未経験転職失敗→ニートという経緯だったので、最初は正社員での復帰を目指していましたが、職業訓練校→週一、二のアルバイト→派遣という流れを辿って今に至ります。
職業訓練校は、人と話す練習、頼る練習の場として活用しました。
アルバイトは、金銭が発生する以上、多少なりとも責任は生まれますから、それに体を慣らすため。
就労期間にブランクがあると、責任やストレスに対する耐性もすっかり無くなってしまいます。
嫌だな~っていう漠然とした気持ちを切り替える練習です。
何事も最初が一番エネルギーを使います。
例えば、お風呂に入るのがだるい気持ちは入る前が一番大きいように。
そういうのと一緒だと思います。
行動編
金銭的、精神的に安心できる状況を作る(できれば誰かといられる環境)
自分にじっくり向き合うことが出来たのも、当面の生活資金を気にせずにいられる環境に身を置くことができたのが正直大きいです。
幸いにも、私は親の家に居候させてもらうことができました。
私は友達付き合いも少なく、賑やかな場所や大人数の集まりも苦手。
休日の過ごし方もゲームやアニメばかりで、一人で趣味を満喫するのが好きな人間です。
だとしても、家に自分以外の人間がいて良かったです。
前述のとおり、うつっぽい人間への理解がある程度ある家だったという前提はあるのですが、金銭的なメリットだけでなく、人と一緒に暮らすことの精神的な部分でのメリットが計り知れないと感じました。
精神的なメリットは大きく二つあります。
メリット①自分を責める時間が減る
一人で暮らしている時より、思考がリセットされるタイミングが増えるからです。
一人でいると自分を責め続けてしまいますが、人の出入りがあれば強制的に思考が中断されるタイミングが自ずと生まれるので、頭を切り替えることができます。
メリット②人のために行動ができる場が準備される
自分の無理のない範囲で、苦にならないことをしましょう。
私の場合は、家の食事作りを担当することで、自分が人の役に立っているという実感を得ることができました。
人間は、人のために自分が何かを与えられたと思った時に自己効力感が高まります。
そして、人と関わるというのは、多かれ少なかれ相手のために何かをし、逆に自分のために何かをしてもらうという流れが生まれることであり、共同生活はその機会を格段に増やします。
ニートになって自分の無力感に打ちひしがれて…となっている人は、始めこそ人と関わる元気も何かするだけの気力もないかもしれないのですが、ほんの一ミリでも「人と関わってもいいかな」という思いが生まれたら、その気持ちに素直になってみることをおすすめします。
以上、人と生活することによる精神的メリットを二つ紹介しましたが、そうは言っても、頼れる人の有無は運がかなり絡みます。
実家に頼るのが難しい人であれば、兄弟や親戚、気心の知れた友人にお世話になることも視野に入れてみてください、
一人暮らしを続ける方は、社会的なつながりが希薄になりやすい状況に置かれるので、趣味や境遇が近い人同士のコミュニティなどに所属するなど、孤独じゃないと思える時間が少しでもあると自分のためになると思います。
また、一人暮らしの場合、金銭面の問題もよりシビアになってきます。
自治体の公的支援制度を積極的に活用しましょう。
よく言われるのは失業保険ですね。
社会保険に12か月以上加入していれば、一定期間お金が支給されます。
他にも、条件をクリアすれば自治体が家賃を支払ってくれる住居確保給付金という制度などもあるので、インターネットで調べてみたり、ハローワークや市役所・区役所に行って聞いてみることをおすすめします。
退職の手続きなどでバタバタしているかもしれませんが、気持ちに余裕がない人ほど、動けるうちに動いた方がいいです。
私は、目先の辛さから解放されること(=退職)に意識が向きすぎていたせいか、退職してから一気に行動する気力が無くなってしまい、一か月ほどを布団の上で過ごしていました。
人の目を気にすることなく過ごせるのが一人暮らしの利点ですが、自分を労わる余裕が無くなってくると、部屋は汚くなり、住環境はあっという間に悪化します。
住環境が悪化すれば気持ちは余計後ろ向きに、そして部屋は更に汚く…という負のスパイラルに陥ってしまいます。
引っ越しとか失業保険の手続きした方がいいのは分かっているのに、体が動かない…
部屋寒いけど、暖房は電気代上がる…部屋片づける気力もないよ……
この後、失業後に受けられる公的支援制度をスマホで調べたりしつつ、周りの助けを大いに借りてなんとか実家に戻り、ハローワークに行って失業保険の手続きをしました。
手続きをしてから3か月後、お金が振り込まれたときはホッとしましたし、生活を立て直すための安心材料としてはとても心強かったです。
働かざるを得ない期間が延びるというだけでも気持ちに余裕は生まれます。
この期間があったからこそしっかりと休養でき、次の行動目標が見つかったときのための英気を養うことができました。
マインドフルネス
簡単に言うと、頭の中を空っぽにし続けることです。
自分の呼吸に意識を向けて、その最中に何か考えがふわーっと浮かんできたら、また空っぽにし、呼吸することに意識を戻す。
5分でも、10分でも、それ以上でも、続けられるだけ続ける。
これを繰り返すだけなのですが、侮れません。
頭の中をいろんなことが駆け回っているような人は、脳の休む機会が少ない。
なので、ごちゃついた頭の中をリセットする時間が必要です。
頭の中が騒がしくてとにかく苦しい!漠然とした不安感で焦る!
こういう時にこそ、やってみてください。
強制的に思考をシャットアウトすることで、だいぶ気持ちも楽になります。
辛い気持ちで頭がいっぱいになっていたときにこれを実践してみたところ、苦しいと感じていた物事もいくらか冷静に捉えられるようになりました。
その結果、次の行動に移りやすくなったように思います。
文字に書き出す
自分が何に辛いと思っているのかをとにかく文字にしてみるのも良かったです。
パソコンやスマホで文字を打ち込むでも、紙に直接書き込むでも大丈夫です。
読める文章かどうかとかも全く気にせず、とにかく、自分の考えていることを片っ端から書いてみてください。
頭の中だけで考え続けると、同じことを繰り返し考えてしまうことがよくあります。
散らかったままの考えを言葉にすることで、「そうか、自分はこういうことを考えていたのか」と自分を客観的に見ることもできますし、何より切羽詰まった気持ちも落ち着きます。
書く行為に集中するという点において、ある意味マインドフルネスの一種と言えるかもしれません。
緊急性が高くない、考えてもどうしようもないことに対してそんな焦ったって何も良いことはありません。
外に出る
外に出てみましょう。
街路樹の植わった道や川沿いなど、多少なりとも自然に触れられる場所がおすすめです。
逆に、繁華街はあまりお勧めしません。
外に出て、何でもいいので目につくもののことを考えましょう。
雲一つない青空なら、胸がすくような気持ちになるかもしれません。
曇天なら、暗い気持ちに程よく寄り添ってくれると想像を膨らませてみる。
雨なら、街路樹などの草木にしたたる雨粒をただ眺めてみる。
草花の咲いた地面を見る、鳥のさえずりの聞こえる方に顔を上げる。
朝昼夜、いつでも大丈夫です。
普段、ただの風景だと思っていたものに意識を向けると、新しい発見があるかもしれません。
図書館に行く
前項の「外に出る」の続きみたいになりますが、外出先のおすすめの一つが図書館です。
無職時代、二週間に一度、30分ほど歩いて行っていました。
前項にある通り、私は当初、健康のために外に出ようと思って散歩を始めました。
しかし、目的地が無いと続かなそうだったので、「外に出る+どこかに行く」ことを目的にすればいいと考え、図書館に行くことにしました。
騒がしくなくて経済的、知的好奇心の高い読書好きの無職にはうってつけの場所でした。
しかし、たくさん本を読んだかというと、そうではありません。
体も心も疲れている時は、文字が読めないんです。
正確に言うと、文字は読めるけど頭に入ってこない。
文字が脳の表面を滑っているような感覚でした。
あんなに好きだった本が全然読めなくなってる…返却期限だし返さないと…自分は何もできないダメな奴だ……
などと落ち込みました。
なので、私は本を読もうとすることを辞めて、どんな本があるのかを見に行くことにしました。
これが良かった。
自分が好きなものは何か、どういうものに興味を示すか。
そういうことが何も分からなくなっていた私にとって、「この本面白そう」「あ、こんな本もあるんだなあ」と純粋に思う機会はとても効果的でした。
例えるなら、感性のリハビリです。
外に出た、本を一ページ呼んだ。
大した事です。立派な成功体験です。
塵も積もればなんとやらです。
本棚を蟹歩きして、雑多に借りては読んだり読まなかったりな日々を過ごす中で、じょじょに文章も読めるようになっていきました。
おわりに
苦しんでいた当時は、正社員で就職することにこだわっていたり、「絶対この職種じゃないと嫌だ!」という気持ちに囚われすぎていたように感じます。
その気持ちに流されることなく、じっくり自分と向き合い休養に努めていた方が間違いなく良かったと今なら言えます。
マインド編に関して、総じて言えることは自己評価が適正より低く、他者に対する評価が高いタイプの人にはどこかしら役に立つ考え方かなーと思います。
この記事を書いている私自身も、いまだに後ろ向きな気持ちになりますし、無力感に情けなくなることがあります。
一人で抱え込もうとしてしまうこともあります。
しかし、それを受け入れることができました。
大事なのは焦らないこと。
上に書いた行動やマインドセットを意識することで、不必要な焦りを見極める力が身についていきました。
悩みを解決するヒントはありましたか?何かお役に立てることがあったのなら幸いです。
人生を生きやすくするため、これからもぼちぼち頑張っていきます。